- 作成日:2023.11.15
- 更新日:2023.11.15
大手企業からベンチャーに転職|メリットや留意点、転職のコツを解説
近年、大手企業からベンチャー企業への転職者が増加しています。
2022年3月に報道された日本経済新聞の記事によれば、大企業からスタートアップへの転職者は3年間で7倍にまで増えたとしています。
背景には終身雇用制度の崩壊や成果主義制度の導入などによる働き方の変化、業績が伸びているベンチャー企業の増加などが考えられます。
本記事では、大手企業からベンチャー企業に転職するメリットから留意点、実際に転職する際のコツまでを解説していきます。
人材業界の転職なら
「人材業界転職ルート」は、人材業界専門の転職エージェントです。
経験者は勿論、未経験者にもおすすめの非公開求人を多数保有しておりますので、ぜひ無料会員にご登録ください。
人材業界転職ルートを利用するメリット※情報収集でも構いません。お気軽にご登録ください。
目次 INDEX
大手企業からベンチャー企業に転職するメリット
大手企業出身者がベンチャー企業へ転職するメリットとしては、以下の3点があります。
- 経営陣との距離が近い
- 裁量の大きい仕事ができる
- 幅広い業務知識が身につく
それぞれのメリットについて解説していきます。
経営陣との距離が近い
ベンチャー企業は社員数が少ないことに加え、オフィスもワンフロアで収まることが多くあります。普段の業務から経営陣と従業員が同じ環境で働くようになるため、経営陣との距離が近いと感じやすいでしょう。
また、経営陣もフィールドプレーヤーとして業務に取り組んでいることも多く、同じ業務に携わることもあります。経営陣を身近に感じながら仕事が行えるため、具体的な会社経営や意思決定の方法なども目の前で学べる機会も出てきます。
こうしたコンパクトな範囲で会社経営を実感できるのは、大手企業にはないメリットです。
裁量の大きい仕事ができる
前段で述べたように経営陣との距離が近いことで、経営者に対して自分の意見や提案を伝えやすい環境にあります。さらに意思決定のスピードも大手企業と比較すると早いので、スピード感を持って仕事に取り組めます。
自身の提案が認められると、裁量の大きい仕事を与えられるケースも多いです。裁量の大きい仕事を若い時期から経験できるのは大手企業にはないメリットと言えるでしょう。また、ベンチャー企業は成果主義で評価する傾向が強いため、結果を出せば、おのずと昇進や昇給なども期待できます。
なかなか成果が出せない場合でも、試行錯誤してプロジェクトを完遂した経験などは自分自身の生長の手助けにもなります。
幅広い業務知識が身につく
ベンチャー企業は人数が少ないため、業務を横断的に行うことも多いです。たとえば営業としての業務も行いつつ、マーケティング業務や人事業務を行うなどです。人数が少ないからこそ、さまざまな業務を経験できるため、幅広い業務知識が身につきます。
一方で大企業であれば、営業部に配属されて営業に特化した働き方になるなど、組織を横断して業務に関わることはほとんどありません。
大手企業からベンチャー企業に転職する際の留意点
実際に大手企業からベンチャー企業へ転職する際には、以下の3点を留意する必要があります。
- 福利厚生が整っていない可能性がある
- 社員数が少なく、ハードワークになりやすい
- 家族の反対に合いやすい
それぞれの注意点について解説していきます。
福利厚生が整っていない可能性がある
業歴の浅いベンチャー企業では、大手企業ほどの福利厚生が整っていないことが多くあります。住宅手当などの手当を比較すると、大手企業の方が充実している傾向です。さらに人材育成や社員向け研修なども長年のノウハウなどが積み重なっているため、ベンチャー企業よりも大手企業の方が充実していると言えます。
大手企業からベンチャー企業へ転職する際には、これまでの福利厚生が受けられない可能性があることや、額面の年収が下がってしまう可能性があることを十分に考慮する必要があります。
社員数が少なく、ハードワークになりやすい
社員数が少ないベンチャー企業は、一人が複数のプロジェクトを同時進行させるなどハードワークになりやすい点も注意が必要です。
企業によっては、最小限の人数で業務を回しているケースもあります。さまざまな業務を経験できることはメリットがある反面、その分野に特化して経験を積めないというリスクもあります。
大手企業と比較すると心身への負担が大きいケースもあるため、事前に労働環境の確認などを行うことが大切です。
家族の反対にあいやすい
家族がいる場合には、家族から反対されやすいことも考えられます。大手企業であれば、一定の収入が望めるため、生活への不安は軽減されるでしょう。
しかし、ベンチャー企業だと先行きが不透明であることや、収入面が大手企業よりも劣ってしまうことで、家族が不安に感じ、反対するケースは多々あります。家族だから理解してくれるだろうという考えではなく、家族の立場に立って「なぜ自分が転職したいのか」を丁寧に話すことが大切です。
大手企業出身者が面接で評価されるポイント
大手企業出身者がベンチャー企業への転職の面接で評価されるポイントは、以下の3点です。
- 基礎能力への期待値が高い
- 大手のノウハウやスキルを身につけている
- 大企業の組織構成や力学を理解している
それぞれのポイントについて具体的に解説していきます。
基礎能力への期待値が高い
大手企業での就業経験はもちろんのこと、選考を通過して採用された実績などは希少価値が高いものです。つまり大手企業が欲しいと感じる程のコミニュケーションスキルや論理的思考力などが備わっており、社会人としての基礎能力が高いと判断され、即戦力として期待されます。
大手のノウハウやスキルを身につけている
大手企業特有のノウハウやスキルを身につけていることも、大手出身者が評価されるポイントです。
会社としての規模が小さいベンチャー企業にとっては、こうした自社にはないノウハウやスキルを持った人材は非常に貴重です。企業によってはノウハウが蓄積しておらず、属人的になってしまっているケースも少なくありません。
大手企業出身者として身につけたノウハウやスキルを活かして、自社の事業拡大や市場開拓に活かすことが求められるでしょう。
大企業の組織構成や力学を理解している
大手企業では営業部門や企画部門、経理部門など、細かい階層に分かれて業務を行っています。そのため、製品やサービスを導入する際、組織の意思決定としては単なる製品の良し悪し以外の要素によって決定されることもあります。
大手企業出身者であれば、こうした組織構成や力学を経験していることはベンチャー企業にとっては非常に重要です。
なぜなら大手企業に対して自社製品やサービスの提案などをする際に、決裁者や案件におけるキーパーソンは誰なのか、どのような仕組みで意思決定が進められているのかを理解していることで、スムーズな交渉が可能になるからです。
こうした大手企業の組織構成や力学を理解している点は、転職において有利になり得ます。
大手出身者が面接で懸念されるポイント
一方、大手出身者だからこその、面接で懸念されるポイントがあります。
- 個人で成果が判断されづらい
- 経験の幅が狭い可能性がある
- プライドや自己評価が高いと思われる
上記3つのポイントについて解説していきます。
個人で成果が判断されづらい
大手企業は組織体制がしっかりしているため、たとえ成果を出していたとしても「個人の成果」として判断されづらいことがあります。
たとえば大手企業は企業そのもの名前や扱っている商品やサービスの知名度が高いことも多く、面接でアピールする成果も、ブランド力によるものではないかと懸念されるなどです。
こうした懸念を抱かせないためには、自分自身が独自に取り組んだことや工夫したことなどを整理し、自分自身の強みとしてアピールすると良いでしょう。
経験の幅が狭い可能性がある
大手企業の場合、組織体制がしっかりしている分、部門や役職、業務内容に至るまで細分化されているケースが多くあります。一人の従業員の役割が明確になっている反面、担当している業務しか経験をしていないため、ビジネスの全体像を捉える力の狭いではないかと懸念される可能性があります。
先述したように、ベンチャー企業は一人の従業員が業務を横断的に取り組むことがほとんどです。そのためビジネスの全体像を俯瞰的に捉える力が身につきます。
面接ではビジネスの全体像を把握したうえで、自分の業務がどのような役割を担っていたのか、どのような貢献ができていたのかをアピールできると良いでしょう。
プライドや自己評価が高いと思われる
大手企業出身者の中には、プライドや自己評価が高い方もいます。また、仕事内容を選り好みしてしまい、自分のやるべき仕事を絞ってしまう人もいます。
こうした姿勢で面接に挑んでしまうと、仕事に対する謙虚さがなく、プライドや自己評価が高いと評価されてしまいます。また、こうした姿勢は面接官に伝わってしまうので注意が必要です。
自分のやりたいことを明確にすることは大切ですが、受け手がどのように感じるかまでを配慮して謙虚なコミュニケーションを意識することも忘れてはいけません。
大手企業からベンチャー企業に転職するコツ
ベンチャー企業への転職を成功させるためには、以下の3つのコツを意識することが大切です。
- 転職理由(退職理由)を明確にする
- 条件面(給与・福利厚生など)を確認しておく
- 転職エージェントを活用する
それぞれのコツについて解説していきます。
転職理由(退職理由)を明確にする
「転職理由(退職理由)」を明確にしなければ、転職は成功しないと言っても過言ではありません。とくに大手企業からベンチャー企業への転職をする場合、年収が下がる、福利厚生が劣ってしまうなど、条件面だけ見ると大手企業に所属していた方が安定した生活ができる可能性は高いです。
転職理由を明確にするためには、「自分はなぜベンチャー企業への転職を希望するのか」を深掘りしていくことが大切です。転職することで何を実現したいのか、どのようなキャリアプランを描いているのかなどを自分の言葉で具体的に説明できるレベルまで落とし込むと良いでしょう。
また、転職理由は志望動機にもつながっていきます。転職理由と志望動機に一貫性がなければ、採用担当者は違和感を感じてしまうでしょう。客観的に見て整合性が取れているかどうかなどを、事前に確認しておくことが大切です。
こうした転職理由をきちんと考えておくことで、面接の場だけではなく、家族へ説明する際にも説得力を持った説明ができます。「新しいチャレンジをしたい」のような抽象的なものではなく、具体性のある理由まで落とし込んでください。
条件面(給与・福利厚生など)を確認しておく
大手企業とベンチャー企業では条件面(給与・福利厚生など)に差があることが多々あります。
入社後にギャップを感じないように、事前に給与や福利厚生などの条件面はどうなるかを確認しておくことが大切です。そのためには、事前の情報収集や企業への理解は欠かせません。
また、自分が最も優先したいことは何かを明確にしておくことも大切です。仕事内容なのか、勤務時間なのか、社風なのかなど何を優先するかは人それぞれです。こうした軸や条件はトレードオフになりやすいため、事前に整理しておきましょう。
転職エージェントを活用する
ベンチャー企業への転職を検討している場合は、転職エージェントを活用した方がよいです。無料で利用できることに加え、以下のようなメリットがあります。
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 書類の添削や選考対策が受けられる
- キャリアについての相談ができる
転職エージェントを活用することで、エージェントと二人三脚で転職活動を進められます。キャリアについての相談から、職務経歴書の添削、模擬面接などの選考対策まで受けられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
さらに転職エージェントは一般には公開されていない「非公開求人」を扱っていることもあります。キャリアについての相談をしたうえで、あなたにあった非公開求人を紹介してくれるなど、転職活動の視野が広がることも期待できます。
まとめ
大手企業からベンチャー企業への転職希望者は増えているとはいえ、どのようなメリットがあり、留意点があるのかを確認しておかなければ、入社後にギャップを感じてしまいます。
とはいえ、大手企業の出身者だからこその強みがあることも確かです。事前に懸念されるポイントやコツを押さえたうえで、謙虚な姿勢で面接に望めば良い結果につながっていきます。
ぜひ、ベンチャー企業への転職を成功させてみてください。
人材業界の転職なら
「人材業界転職ルート」は、人材業界専門の転職エージェントです。
経験者は勿論、未経験者にもおすすめの非公開求人を多数保有しておりますので、ぜひ無料会員にご登録ください。
人材業界転職ルートを利用するメリット※情報収集でも構いません。お気軽にご登録ください。
この記事を書いたコンサルタント

人材業界転職ルート 編集部
人材業界専門の転職エージェント「人材業界転職ルート」のコラム運営担当です。人材業界に関連する転職やキャリアに関する情報を日々発信しています。