- 作成日:2023.10.23
- 更新日:2026.07.03
人材紹介のビジネスモデル|事業の仕組みや収益構造、市場の動向についても解説
本記事では、人材紹介事業のビジネスモデルを知りたい方に向けて、収益構造や市場規模を詳しく解説します。
人材紹介の種類や、人材派遣との違いにも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者
人材業界転職ルート 編集部
人材業界専門の転職エージェント「人材業界転職ルート」の編集部です。人材業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。
目次 INDEX
人材紹介事業のビジネスモデル
人材紹介事業は、厚生労働大臣の許可を受けた企業が、職業安定法の定めに基づいて、求人企業のニーズに合った求職者を紹介する、民間の有料サービスです。
人材紹介サービスを行っている企業は、一般的に、「転職エージェント」や「人材紹介会社」と呼ばれています。
この後、人材紹介事業の仕組みや収益構造を詳しく解説していきます。
人材紹介事業の仕組み
人材紹介事業のビジネスモデルは、求人企業と求職者とのマッチングを通して、求人企業から紹介手数料を受け取るという仕組みです。
求職者と求人企業のマッチングは、以下のような流れで行われます。
- 企業から依頼を受け、ニーズに合った人材を、自社に登録済みの求職者から探す
- 該当の求職者へ、求人紹介やコンサルティングを行い、書類選考や面接のサポートをする
- 採用が決定し、求人企業と求職者の間で、直接雇用契約が結ばれる
- 求人企業から、紹介手数料を受け取る
人材紹介サービスの利用にあたって発生する「紹介手数料」は、求人を出す企業が負担します。
求職者から報酬を貰うことは禁止されているため、求職者は無料でサービスを受けることができます。
なお、人材紹介会社では、以下の職種の紹介が禁止されています。
- 港湾運送業
- 建築土木業
港湾運送業は、「港湾労働法」という独自の決まりが設けられており、職業安定法に基づいている人材紹介会社では紹介する事ができません。
建築土木業も、業界の性質上、紹介禁止となっています。
人材紹介事業の収益構造
人材紹介会社の売上は、採用が決定した際に求人企業から受けとる手数料のみの「成功報酬型」です。一部の例外を除いて、求職者に報酬を要求することはできません。
手数料の算出方法には、「届出制手数料」と「上限制手数料」があります。
届出制手数料
「届出制手数料」では、紹介した労働者の想定年収の50%を上限に手数料を徴収することができ、相場は30~35%となっています。
例えば、年収600万円の労働者に対し、30%の手数料を徴収した場合、180万円の利益となります。
上限制手数料
もう一方の「上限制手数料」では、紹介した労働者の6か月の賃金のうち、11.0%以下の徴収が可能です。
同じように、年収600万円の労働者に対し、最大の11%で手数料を徴収した場合、6か月分の賃金である250万円×11.0%で、33万円の利益となります。
「届出制手数料」の方が利益が大きく、現状、ほとんどの企業が届出制手数料を選択しています。
人材紹介事業の種類
人材紹介事業には、人材紹介会社ごとに得意とする市場や業態が異なったり、人材の獲得方法が異なったりと、いくつかの種類があります。
それぞれ詳しく解説していきますので、自分の転職にはどの種類が適しているのか、ぜひ参考にしてみてください。
市場・業態別
人材紹介会社を、市場・業態別に見ると、以下の2種類に分けることができます。
- 総合型
- 特化型
この後、それぞれ解説していきます。
総合型
総合型の人材紹介会社では、幅広い業界や職種を取り扱っています。そのため、求人数が多いことがメリットの1つです。
経験業種だけでなく、未経験の業種も合わせて検索できるため、情報収集がしやすいです。
特化型
特化型とは、業界特化、職種特化など、細かいニーズや専門性に対応した人材紹介会社のことです。
非公開求人を保有していたり、業界や職種についての専門知識を持っている点がメリットです。また、独自の転職ノウハウを持っている場合もあります。
経験業界でのキャリアアップだけでなく、未経験でも、転職したい業界・職種が明確な求職者におすすめです。
例えば、人材業界の営業は未経験でも挑戦しやすく、「人材業界転職ルート」では、業界未経験の方へのサポートも充実しています。
提供サービス別
提供サービス別では、以下の3タイプに人材紹介会社を分類することができます。
- 一般紹介・登録型
- サーチ(ヘッドハンティング・エグゼクティブサーチ)型
- 再就職支援(アウトプレースメント)型
こちらも、それぞれについて詳しく解説していきます。
一般紹介・登録型
一般紹介・登録型は「人材バンク型」とも言われており、自社に登録済みの求職者から、求人企業のニーズに合った人材を選定し、紹介するという方法です。
日本ではメジャーな人材紹介方法で、求職者の登録が前提になります。
一般紹介・登録型では、求職者は以下のような流れで転職活動を行っていきます。
- 自身の基本情報や職歴・スキルなどを登録
- コンサルタントとのカウンセリングで、これまでの経歴や、転職における希望を共有
- 自身の経歴やスキルが求人企業のニーズにマッチすると、求人情報が提供される
- 応募から内定までのサポートを受けることができる
求職者にとっては、応募書類の作成や面接対策、求人企業との日程調整など、転職における様々なサポートを受けることができる点が大きなメリットです。
また、入社日の調整や就職後の相談対応など、手厚いフォローを受けることもできます。
サーチ(ヘッドハンティング・エグゼクティブサーチ)型
サーチ型とは、求人企業から依頼を受けた人材紹介会社が、そのニーズに合った人材を探して転職を交渉する方法です。
自社サービスに未登録の在職者を対象とすることも多く、求人企業から対象者を名指しされる場合もあります。
スカウトのターゲットを決めたら、その人材へ電話やメールでアプローチをかけ、面談に誘導します。
面談を通してターゲットに転職の意思が生じたら、依頼元企業の担当者が面接を行うことになります。
サーチ型では、転職を希望していない人がスカウト対象になることもあるため、人材紹介会社には、スカウト成功のための高い手腕が求められます。
再就職支援(アウトプレースメント)型
再就職支援型は、事業の縮小などで人員削減をする企業から依頼を受けた人材紹介会社が、退職者に対して再就職へ向けたサポートをするというものです。
再就職希望者が依頼元企業に紹介されてサービスに登録すると、サポートが開始されます。再就職希望者は、求人企業の中から自分に合った企業を紹介してもらうことができます。
また、紹介だけでなく、面接対策や資格取得支援など、教育体制を充実させている人材紹介会社も多いです。
再就職支援型では人材紹介会社が「着手金」を請求する場合が多く、成功報酬と併せて、依頼元企業が支払います。
依頼元企業が人員削減のために利用する、という点が、他の2つの型と異なるところです。
人材紹介と人材派遣の違い
人材紹介と似た事業に「人材派遣」がありますが、この二つを混同している方も多いのではないでしょうか。
人材紹介は、求職者と求人企業のマッチング、採用をサポートするサービスです。雇用契約は、求職者と求人企業の間で直接結ばれます。
一方で、人材派遣は、企業が依頼する業務に適した人材を派遣し、派遣スタッフの管理までを一貫して行うサービスです。雇用契約は人材派遣会社と派遣スタッフの間で結ばれます。そのため、派遣スタッフに給料を支払うのも人材派遣会社です。
このように、雇用形態やサービス内容に明確な違いがあります。
さらに詳しい違いやそれぞれの特徴については、以下の記事で解説しています。ぜひ、併せてご確認ください。
関連記事:人材紹介・人材派遣・求人広告の違い
人材紹介事業の動向
人材紹介事業の市場規模や動向について、厚生労働省が発表している「職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」を、参考に見てみましょう。
まず、有料職業紹介事業における常用求人数は、平成29年(2017年)から令和3年(2021年)までの5年間、増加を続けています。
常用求人とは、雇用契約において雇用期間の定めがないか又は4か月以上の雇用期間が定められている求人 (季節労働を除く。)のことと、定義されています。
・有料職業紹介事業における常用求人数の増加率(対前年比)
| 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
| +6.3% | +9.0% | +17.0% | +1.5% | +19.0% |
2020年は前年から流行した感染症の影響で、増加率が伸び悩んでいますが、増加傾向を保っています。企業の人手不足や少子高齢化により、人材紹介の需要が高まっていると考えられるでしょう。
また、人材紹介会社数や手数料収入の推移についても、おおむね増加傾向を示しています。市場規模は、今後も拡大していく可能性があると考えられます。
より詳しい数値やグラフは、以下の記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:人材紹介会社数の推移|近年の市場規模についても解説
まとめ
人材紹介のビジネスモデルは、基本的に、人材紹介会社が求人企業に適した人材を紹介し、その紹介手数料を受け取ることで利益を出す仕組みです。
利益率の高いビジネスのため、事業所数も年々増加し、市場規模も拡大傾向にあると言えそうです。
参考
・職業紹介事業報告書の集計結果(速報)|厚生労働省
・用語の解説|厚生労働省
この記事の監修者
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