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結果を出すキャリアアドバイザーの仮説思考|面談前の準備と仮説の立て方を解説

キャリアアドバイザーの仕事では、求職者から話を聞く前にも、考えられることがあります。

  • 「なぜ今、転職を考えているのだろう」
  • 「この経験は、別の仕事でも生かせるのではないか」
  • 「この方には、どんな求人を提案できそうだろう」

登録情報や職務経歴書を読み、こうした見立てを持っておく。それが、今回紹介する「仮説思考」です。

大切なのは、限られた情報から自分なりに考え、その仮説をヒアリングや求人提案につなげることです。

仮説を持つと、面談で聞きたいことが具体的になります。求人を探すときにも、「この人には、こういう切り口で提案できそうだ」と考えられるようになります。

本記事では、面談前の準備の流れと仮説の立て方を、教員からの転職を例に解説します。

この記事の監修者

株式会社ファンオブライフ 取締役 人材業界・教育業界など領域特化の転職エージェント事業を運営。年間数百名の転職・キャリア支援を行っている。また、自社の採用でも多くの人材業界経験者(キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザー)との面談を実施中。YouTubeチャンネルで転職のノウハウや体験談を公開中。著書に「教育業界への転職のポイントがわかる本」がある。​

面談前の準備は3つのステップで進める

面談前の準備は、次の3つのステップで進めます。

1.求職者の情報を読み、仮説を立てる

登録時の情報、レジュメ、アンケートなどを読み込みます。

その際、「どんな経歴か」「希望条件は何か」に加えて、「なぜ転職を考えているのか」「どんな経験を生かせそうか」も考えてみます。

情報が少なくても、考えられる可能性をいくつか挙げておく。それだけでも、面談で聞きたいことが見えてきます。

2.仮説をもとに、求人をピックアップする

次に、仮説をもとに、提案できそうな求人を探します。

働き方を変えたいのかもしれないなら、休日や勤務時間の改善につながる求人。今の仕事で培った経験を別の環境で生かせそうなら、その経験が求められる求人を探します。

実際の求人を見ることで、「この仕事につながるなら、あの経験について詳しく聞いてみたい」と、ヒアリングの観点が増えることもあります。

3.提案の切り口ごとに求人を整理する

選んだ求人は、「働き方を整える」「収入を伸ばす」「経験を生かして新しい仕事に挑戦する」といった切り口で整理しておきます。

その人にとって、それぞれの求人にどんなよさがあるのか。ここまで考えておくと、面談で聞いた話と求人を結びつけやすくなります。

仮説を立てる2つのヒント

年齢や経験年数から、変化のタイミングを考える

年齢や経験年数は、転職を考えた背景を想像する手がかりになります。

仕事を一通り経験して、次の挑戦を考え始めたのかもしれません。今の職場での昇進や収入の見通しが見えてきた可能性もあります。

また、結婚や子育てなど、生活の変化によって、勤務地や勤務時間、休日に求めるものが変わることもあります。

年齢だけで決めつける必要はありません。「この方には、今どんな変化がありそうか」と考えるきっかけにします。

経歴から、選んできた理由や強みを考える

学校、最初の就職先、転職先を、それぞれどう選んできたのか。在籍期間や担当業務にも、その方を理解するヒントがあります。

「なぜこの仕事を選んだのだろう」「長く続けているのは、どこにやりがいを感じているからだろう」と考えてみます。

職務経歴の中の一行が、提案のヒントになることもあります。

「新人の育成を担当」「業務改善を推進」「新しいシステムの導入に関わった」。本人がさらっと書いた経験にも、次の仕事につながる強みがあるかもしれません。

具体例:29歳・中学校教員の場合

たとえば、次のような方が転職を考えているとします。

  • 29歳
  • 教育学部を卒業後、新卒で中学校の教員になり、現在7年目
  • 現在は中学3年生の担任
  • 職務経歴に「ICT導入の推進を担当」という一文がある

限られた情報から、考えられることを広げる

この情報から、どのような仮説を立てられるでしょうか。

  • 転職のタイミング:中学3年生の生徒を送り出す年度末を、一つの区切りと考えているのかもしれない。
  • 働き方:今後の生活を考えて、休日や勤務時間を見直したいのかもしれない。
  • 収入:今の仕事を続けた場合の年収の見通しが見え、もっと収入を伸ばせる道を探しているのかもしれない。
  • 新しい挑戦:教員として経験を積み、学校の外でも教育に関わってみたいのかもしれない。
  • 生かせる経験:ICT導入の際に、ほかの先生への説明や活用の支援をしていたなら、その経験を民間企業でも生かせるかもしれない。

この段階で、どれか一つに絞る必要はありません。

「この可能性もある」「そうだとしたら、こんな求人がよさそうだ」と考えることで、準備の幅が広がります。

仮説をもとに、求人を3つの切り口で整理する

実際の募集条件や応募要件を確認しながら、たとえば次のような求人を探しておきます。

提案の切り口 探しておく求人の例
働き方を整える 教材・教育サービスの企画、学校法人の職員などのうち、休日や勤務時間の改善につながる求人
収入を伸ばす 教育業界の法人営業、塾の教室長などのうち、現在より年収を上げられる、または将来的な収入の伸びを見込める求人
教員・ICTの経験を生かす 学校での経験や導入支援の経験を生かせる、EdTech企業の導入支援・カスタマーサクセスなどの求人

同じ求人が、複数の切り口に当てはまることもあります。

大切なのは、その求人を「この人に、どういう理由で勧められそうか」まで考えておくことです。

仮説を持つと、ヒアリングが具体的になる

こうした準備をしておくと、面談での聞き方も変わります。

まずは、本人が転職を考えたきっかけや、今の仕事について話を聞きます。そのうえで、準備してきた仮説を手がかりに、さらに詳しく聞いていきます。

働き方の話から、求人選びに必要な情報を聞く

たとえば、本人から「働き方を変えたい」という話が出たとします。

働き方を切り口に求人を見ていれば、「平日の帰宅時間なのか、土日の勤務なのか、それによって提案する求人が変わりそうだ」と考えられます。

そこで、

「今の働き方で、特に変えたいと感じているのは、どのようなところですか?」

と聞く。

「土日も部活動があり、家族との予定を立てにくい」という答えであれば、休日出勤の頻度や、本人が希望する休日の過ごし方をさらに聞いていきます。

こうして聞くことで、「働き方を改善したい」という希望が、求人を選ぶための具体的な情報になります。

経歴の一行から、提案の可能性を広げる

「ICT導入を担当」という一文についても、経験を生かせるかもしれないと考えていれば、詳しく聞きたいことが出てきます。

「ICT導入では、具体的にどのような役割を担当されたのですか?」

たとえば、「ほかの先生に使い方を説明し、授業で活用できるように支援していた」という答えが返ってきたとします。

そこから、

「使ってもらうために、どのような工夫をされたのですか?」

「その仕事の中で、面白いと感じたのはどのようなところですか?」

と、仕事の進め方や、本人がやりがいを感じる場面まで聞けます。

もし、相手の困りごとを聞き、活用方法を考えることに手応えを感じていたなら、教育サービスの導入支援なども、提案の切り口になりそうです。

仮説を立てることで聞きたいことが生まれ、聞いた内容から求人の切り口が広がっていく。このつながりが、仮説思考のよさです。

仮説の当たり外れより、考えるプロセスが大切

最初の仮説が当たったかどうかは、それほど重要ではありません。

働き方を変えたいのかもしれないと思っていたら、実際には仕事内容への関心が大きかった。ICTに興味があるのかと思ったら、担当を任されただけだった。そうしたこともあります。

その場合は、聞いた内容をもとに、次に聞くことや提案の切り口を考えればよいのです。

大切なのは、限られた情報から仮説を立てること。その仮説を持ってヒアリングすること。そして、その人に合う求人の切り口を考えること。

このプロセスを繰り返すことで、経歴のどこに着目するか、何を詳しく聞くか、どう求人につなげるかという引き出しが増えていきます。

仮説思考は、キャリアアドバイザーの仕事の醍醐味

同じ職務経歴書を読んでも、そこから何を考えるかによって、面談で聞くことも、提案する求人も変わります。

本人がまだ気づいていない経験の価値や、考えていなかった選択肢が見つかることもあります。そこに、キャリアアドバイザーの仕事の面白さがあります。

まずは次の面談前に、「なぜ転職を考えているのか」「どんな経験を生かせそうか」「どんな切り口で求人を提案できそうか」を、いくつか書き出してみてください。

この考え方は、ご自身のキャリアを考えるときにも役立ちます。人材業界での転職をお考えの方は、人材業界専門の転職エージェント「人材業界転職ルート」にお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

株式会社ファンオブライフ 取締役 人材業界・教育業界など領域特化の転職エージェント事業を運営。年間数百名の転職・キャリア支援を行っている。また、自社の採用でも多くの人材業界経験者(キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザー)との面談を実施中。YouTubeチャンネルで転職のノウハウや体験談を公開中。著書に「教育業界への転職のポイントがわかる本」がある。​

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